面影

朝電車に乗って、自分の立ち位置を確保して、ほっと視線を上げると、「あら、似てる。。」  ドアの側に立っている男の子が高校生か、大学生くらいか。。 初めて告白した人になんとなく似ていました。
忘れもしない中学2年。 相手は同じクラスのちょっと問題児で、先生によく反抗する子でした。 でも普段は普通でおもしろい子だったんです。 確か2学期くらいに、問題を起こしたのか、学校がその子を扱いかねたのか、転校することになりました。 学校にくる最後の日に、思い切って自分の気持ちを書いた手紙を渡しました。 友達に彼を呼んできてもらって、階段の踊り場で。 何を話したのかは全然覚えていません。 ただ、私は手紙を渡せたことで満足でした。
と、それからしばらくして、彼から電話がかかってきたのです。 もぅ超びっくりでした。 「映画に行こう、遊びに行こう」と誘ってくるではありませんか。 想定外の展開でした。 私としては、自分の気持ちを伝えれただけで大満足、相手は転校して会うことないし、もうそこで私の中では終わっていて、続きがあるとは考えてもいませんでした。 うぶだった私はびっくりして、この後の展開に怖くなって断り続けて、「やっと電話を切ることができた」と思いながら電話を終えた覚えがあります。 ドキドキはしばらく止まらず、電話がかかってくると不安になりました。 でももう電話がかかってくることはありませんでした。
今こうして日記を書いていても、ついニタニタしてしまう。。 あの時会っていればよかった、、と後悔の気持ちはありますが。。 懐かしい、忘れられない思い出です。
そんな彼の面影をしのばせる、電車で会ったその子。 顔・姿が似ているというより、雰囲気が似ているような。。 気になってチラチラ目で追ってしまいました。 電車を降りても、少し後ろを歩いてみたり。 人混みの中、どこかへ行ってしまいました。 もう一度、会ってみたいな。。