病の同士

昨日父の手術が行われました。 いつも3時間ほど待つので本を持っていったのですが、今回は1時間半程で戻ってきたのでびっくりしました。
父の話によると、手術中担当の先生が「がんが少し大きくなって数も増えているけれど、そのことは気にしないで、しっかり食事して、運動して、長生きしてください」と声をかけてくれたそうです。
気休めかもしれませんが、たとえがんが大きくなって数が増えていても、前向きに生活するように言ってくれた先生の言葉は有難いなぁと思いました。
病室は4人部屋です。 その内の3人が肝臓病で、同じ日に入院し、同じ日に順番に手術が行われました。 こんなことも初めて。
手術を待っている間、同じく待っている奥さんとおしゃべりをする機会があり、そのご主人は現在80歳で、60歳のときに発病し、以来20年手術の繰り返し。 ラジオ波や塞栓術に放射線と年に何度手術を受けてきたことか、もう数え切れません、、と話をされました。 途中悪性リンパ腫を患い、後遺症の味覚障害で、今は全く味がわからないとか。 後で母と「うちだけじゃないんやなぁ〜いろんな人がおんねんなぁ」と語り合いました。
本当に人それぞれ病で苦しんでいます。 年をとるほど他の機能も低下してきますし複雑にからみあってきます。 父にしても肝臓がんだけでなく、前立腺が腫れ尿が出にくい、便が出ない、血小板が少ない、腎機能の低下、あれもこれも出てきて私たちも不安になります。
でも、そうして苦しい思いをしているのは私たち家族だけじゃない。 あの奥さんも、当然のようにご主人もどれだけ不安に過ごされていることか。 わずかでも他の人たちとお互いの経験を共有することは、なんて有意義なことなんでしょう。 仲間がいるということは、なんと心強いことでしょうか。